
先日、アメリカのボーディングスクール5校を視察しました。名門と呼ばれる学校に共通していたのは、少人数で行うディスカッション中心の授業です。みんなで多様な意見を出し合い、それぞれの考えを共有することを大事にしていたのが印象的で、世界で活躍するにはこうした力が求められるのだろうと感じました。
日本でも文部科学省が高大接続改革を推進するなかで、アクティブ・ラーニングの重要性が指摘されるようになりました。他者の意見を聞き、自分の意見を述べ、それを共有して課題を解決する力が、いよいよグローバルスタンダードになってきたと実感しています。討論を重視し、思考力を育てるサピックスの授業も根本は同じです。アメリカの生徒たちを見て、あらためてサピックスの教育への自信を深めました。

日本の教育が曲がり角にきたといわれる現在、中学受験を考えるうえでの学校選びはより難しくなっているかもしれません。ブランドなのか、難関大学の合格実績なのか、教育方針なのか。基準はさまざまですが、やはり大切になるのは、お子さんの気持ちではないでしょうか。お子さんが「ここで学びたい」と思えるような学校を選ぶことが、その後の大きな成長につながります。
そのためには、実際に足を運んで学校の空気に触れることが不可欠です。元野球選手の松井秀喜さんは、ニューヨークのスタジアムでヤンキースの試合を見て、「自分もここでやりたい」とアメリカに渡ることを決意したそうです。メジャーリーグに行きたいというのではなく、「ヤンキースでプレーがしたい」と。現地に行って、初めてわかることがあるのですね。
好きな学校が見つかれば、受験勉強の最大のモチベーションになります。2020年度には大学新テストが導入されますが、本質的な学校選びの基準は変わらないと思います。
受験生をはじめとする子どもたちには、自分の目で見て感じる経験をさまざまな形で重ねてほしいと思います。トライアル・アンド・エラーをどんどん経験しましょう。サピックスでは、チャレンジする機会を多く提供する授業を実践しています。切磋琢磨できる仲間もいます。こうした教育を進めるなかで、失敗を恐れず、恥をかくことを嫌がらない生徒を育てたいと考えています。
ご家庭でもぜひ、お子さんの挑戦を大事にしてあげてください。たとえそれが失敗に終わったとしても、挑戦した経験は必ず将来につ ながると思います。

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